四属は重ね着/黒川排除 (oldsoup)
 
降り出しにうずくまる背を滴る石

姫が繊細なこころを殴っておしまいにする

ビル食う 草の巨人 林業はさぞかし

火の元に花咲き火の粉が列なす河

泡雪崩平野で拮抗する海女へ

叔父半身窓から反らし弦を張れと言う

幾重に星を重ね光彩の余剰に球飛ぶ

金輪際誰も通らぬ道路の電柱

想念おそらくは百貨店のモーター音

迫害の麩を転がすもし隣人なら

境界線で軋む枕芽吹きの憂き目に遭い

炸薬踏む足に前世迸る痣

野隠しに砕けた絵画散りばめる

夜をゆすぐ荷を震わせ白い布切れ

口笛鋭くハム裂く望郷とは無縁

煩雑それは死それは手ぐすね木桶に転ぶ

奇声を天に衝く鳥落ちては避雷者と散る

水草揺られ際で擦る喉元の像

切っ先またせり上がりずいと茶の沸騰

螺旋階段降り無音螺子が落ちるまで
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