聴こえないふり/紫音
 
午前零時のもやもや月明かりの先に
お猿のシンバル リズムを刻む

 シャンシャン

  シャンシャン

少しずつ大きく
風にそよぐ待宵草も
霞んで遠く消え隠れ

 ジャンジャン

  ジャンジャン

耳を澄ませば聴こえる声も
目を凝らせば見える姿も
響き応える評さえも

見ざる言わざる聴かざるで

     お猿は一人 騒いでる


天上天下唯我独尊

お猿は三輪車を漕いでいく
シンバル叩いて踊りだす


誰もいないかのように
投げっぱなしの詩を口ずさみ
一人月光夜想詩楽団

 シャンシャンジャンジャン

  シャンジャンジャン


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