冷たい柵/
ふもと 鈴
が生きているのよ、
私は生きてないのよ/あなたに生きているんだって)
さびた柵は冷たくって 地球はくるっと反転している
実体のない空気に、
命はいかされて
私の血だって、どっくりどっくり流れていく
だから/だって
冷たい手すりを離せなくって
柵の外は内になって
私はどっと流れ込む
町と、嘘と、少女と、猿と、
その他欲望みんなみんな
白日のもと 流されて
いつか そっと 思い出と呼ぶ
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