冷たい柵/ふもと 鈴
 
町をくりぬく動物園は
真っ先に命の営みを捨て去って、
太陽、ポンと放り投げる
イメージを垂れ流しにするテレビみたいに
命はすり減らされることばっかり。

ここ、
行きたいとか、なんとか、古典が好きな文学少女
動かない楽園は見てみたいの

白くまの食欲と
猿の性欲と
動かないから転倒した快楽に
(頭の中は、わたし)

冷たい柵の前に立ち 手すりを額にぴったりと
血が流れるのを知っている

別にどの柵でもよくって
記号となった生命に
寄り添って、排泄がしたい

目の中じっとのぞきこんでも 見えっこないの
血の行く恐怖

(私が生きているのよ/あなたが生
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