都市型仙人/HTNYSHR
黄色い花をつけた雑草に宿る詩」の発見を
整然と散らかったまま真ん中だけがスペースを維持している部屋の
壁一面に並べられた酒瓶に溜まった埃を払いながら
不揃いなグラスに注ぐ手は少し震えていた
自白剤入りのその酒を飲みながら、男はいつも独り言の中に眠る
埃を被ったシタールの弦は何本か抜けていても
帽子を掛けておくのには都合が良かった
その横のビデオデッキの上にはサングラスが置いてある
男は何も語らないが、部屋はまるっきり正直だ
仙人は女を脱がす
仙人は男も脱がす
ボクサーパンツの妙に似合う細い足で
分解された自転車のペダルを踏んで歩く
彼ら仙人の詩には乱杭歯のような趣がある
全国に潜伏する危険な男たち
すれ違いざまに匂う加齢臭
油の抜けきらない身体で、今日も青白き精神を渉猟している
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