雨つぶて/HTNYSHR
 
雨にさえ取り残されたこの灰色の殻の中には
心地よさにも似た悲しみ、
急ぎ足の夕焼けを追いかける時の心が満ちていて
言葉にならない言葉たちの反響がふざけ合っている
外殻を打ちつけるつぶての丸い表面には
もどかしさにも似た恍惚、
今日もズレて行くおかしみが映っていて
この細い目にはいびつに歪んだ塔がチラつく

日常からこぼれ落ちたズレを拾い集めることは
諦めのような慰めの中に、
言葉を掴もうとする無様な足掻きであって
その残滓が自閉的世界の内壁につぶての雨をこぼした

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