色彩/aidanico
「ああ私達もう終わりね」
そう移ろう木々が囁いていた
人生の挽歌を唄いながら
僕らの終焉を見送る様に
木枯らしのもたらす冷たさが
君の手を凍えさせているのに
もう僕は君の手を握る術を知らない
乞うても季節は留まってはくれない
ジャケットの襟を立てて
寒そうに首をすくめて
それでも足元を攫う風に
抗うことは出来ない
「こんな季節になったんだね」
流れる小川に逆らわないように慎重に
口にした言葉は心なしか
あなたの瞳を滲ませている
彩度の落ちた公園のキャンバスは
鮮やかな色を乗せることを赦さない
それが喩え黒であっても
それが喩え赤であっても
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