創書日和「声」 きこえない声/ゆうと
 

きこえない
きこえない声を
ずっとぼくはさがしている
なんのたよりもないから
なんにもできていないけど
ずっとぼくはさがしている
空と海とのすきまかなんかに
ひっかかっているような気がして
太陽がしずむのも のぼるのも
見届けたけど きこえない

あああって
ぼくは声を出してみるけど
きみがきこえている声と
ぼくの声とはちがう
らららって
きみが出す声は
ぼくがきらいな声にすこし似ているから
すきだ

きこえない
きこえない声は
ぼくの、ほんとうの声
きみがきこえている声じゃない
ぼくの、ほんとうの声で
ほんとうのことを伝えたい
ほんとうのことを、



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