紅色の葉/
高橋魚
一枚の葉が風に吹かれて
僕の唇に当たった
紅色のそれは
二年前の秋を想起させた
あれは 越冬の為に
神様がくれたいたずらなプレゼントだったのか
自動的に進んでいく機械に乗った僕を
戒める為の罰だったのか
唇に当たって
重力におとなしく従い地面に落ちたそれを
僕は拾い上げたけれど
あの時
唇に触れた紅色の葉とは違って
ただ 冷たかった
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