紙一重/高橋魚
 
ゆらゆらと

幸せが蝋燭に灯る

仄かな温もりが カーテン越しの夕陽のよう

もっと もっと
そんなんじゃあ腹が減る

四ヶ月後
耐えきれなくなり

新聞紙にその蝋燭を近付けると
幸せはゴオゴオと音を立てて
新聞紙を燃やしていく

怖くなって放り投げると
幸せは「イヒヒ」と笑って牙を剥いた

すべてが燃えていく
写真もなにもかも


アアア 熱い 苦しい

なぜ
お前は知らぬ間に名を変えた

あの仄かな温もりはどこへいってしまったのか
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