つきの夜の歌/鮎
の髪の毛を風が梳って
薄い 石鹸水の匂い
ららるあ つきの
夜にすむものたち
うたをささげなさい
ららるあ
つきが よろこぶ
うたを
月が近づいてくるのよ
月はみちてゆくのよ
からだの中がざわざわ、波打つ
君はそういって しくしくないた
君はそういって つめたい肩をふるわせた
ららるあ あかるい
つきのもとで
うたをうたいなさい
ららるあ
やさしい しろい
うたごえ
明るい月だ
帳が下りるように
夜の時間は流れていく
細く細く ガラスの液体になって
水色と翡翠色と透明が
ほどけるみたいに
君が夜の空にのぼってくのを
僕は確かに みた
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