つきの夜の歌/鮎
「つきの夜の歌」を歌ってと君はいった
そうじゃなくて 第二楽章のほうよと君はいう
ららるあ つきの
夜にすむものたち
うたをうたいなさい
ららるあ
つきの ひかりの
うたを
橋の上で月を見る
石の橋だ あたらしいコンクリートの
雨の降ったあとの川は
カエルの潰れたやつみたいなにおいだと
君はうたうようにわらう。
ららるあ つきの
夜にすむものたち
うたを かなでなさい
ららるあ
銀の
笛で
しずかに
僕の肩越しに指さす
あれは こいぬ おおいぬ
うしかい とかげ かしおぺあ
星の名前をかぞえて うたう
君の髪
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