山高帽子/リーフレイン
 
夜、

ベッドの床のドアを開け 
誰もいない真夜中のモールへ向かう
不ぞろいな石畳のゆるい坂道
狭い道の両側に並ぶ石造りの建物
ショーウインドウに灯りが燈る

探せ、

歩け、

山高帽子の男を探せ

いつものゲームだ
見つければ男が鍵をくれる
(いったいどれだけ時間があるかさっぱり分からない)
帰る扉が開く

夜霧に濡れた石畳を踏みながら
いつものように
(いったいほんとうに帰りたいのかさっぱりわからない)
焦りながら探し回る

山高帽子の男だ 顔ににやにや笑いをへばりつかせた
いつもの 背の高い男だ

探せ
歩け

探せ
走れ

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