生きる/高橋魚
 
石から人の想いを感じ取る

櫛に平和を思い浮べる

僕はそこに僕を見る
はっきりとした輪郭の


名の知れた詩人の詩に
美を感じる

店で流れる知らない曲に
耳を傾けている

僕はそこに輪郭のはっきりしない僕を知る
こんなところにも僕は居たのか、と
驚きを伴って


そんな不親切な僕に会うために
裸にするために

僕は今日も生きている
僕はあと何人いるのだろうか
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