赤い靴の少女/星月冬灯
 
かず

 赤い靴を履いて喜びました


 靴は私の心を代弁するかのように

 大いにはしゃぎまわり

 華麗なステップを踏みながら

 
 街を駆け抜け

 森を駆け抜け

 山を駆け抜け

 ひたすらに踊り続けました


 私はもはや自分の

 心も忘れ果て

 赤い靴に支配され

 ただ動かされているだけ


 人々が物陰から

 私のことを指を差しながら

 笑っています


 涙がたくさん出てきて

 止まりません


 私は心から悔いました

 パパとママに


 私は心から祈りました

 
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