「宏美の心配」/菊尾
 
の瞬間にそんな事はどうでもよくなった。
あ、また、依子・・・始まってる。

「ちょっと、依子!なんか、また?!」
「え?あれ?え?なんで??あ!」
「なに?」
「あたし今までの話の中でブランドのサイトチェックしてったって言ったでしょ?」
「うんうん。」
「その時ちょっと思い出して・・・」
「あ、その秋の新作を?」
「そう!それでちょっとなんか嬉しくなっちゃって・・・だからだ!」
「だからだじゃないよ!」

落ち着く方法として最近知ったのは数を早く数えてみること。
友達に貸してもらったDSの脳トレで知ったので実行してみよう。と依子に教えた。今飲み物持ってないし応急処置だ!
「12345678910、12345678910、12345678910・・・」
ぶつぶつと依子は数を数える。11、12、と10以降の数字も読み上げた依子は「言いにくっ」と呟いたので、
じゃ、10までで。それを繰り返して。と指示しておいた。
効果があるのかどうかは分からないが、せめて駅の改札抜けるまでは、伸縮よ、どうか穏やかに!と願う私なのであった。

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