作家願望日和/ヨルノテガム
 



先生と呼ぶ女の声が
先生と呼ばれる男の肩を振り向かせ

女の顔は無邪気なノッペラ坊であった
男は女の顔を描いてやろうと創作へ向かう
女は先生お手伝いしましょうかと歌い出し
男は陽気な女をしばらくして帰し、ひとり、
顔に寄せる言葉を選ぶ景色を探しに旅に出かける
金を使い、優しい、
道に迷う、目の道と鼻の洞窟、耳のワープが唇を裏返す
女の口歯が「先生、先生・・」と言う度に
顔面はみるみる膨れ上がり
風船や気球のように浮かび上がったかと思うと割れ落ちた
しぼんだ女からワッショイ出てきたのは
柔らかな羽を震わせ、先生 ありがとう と
オナラばかりをスカす妖精であ
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