レッド:西口地下広場/ブライアン
 
改札を抜ける。
地下通路を歩く音が響く。駅員のアナウンスが流れる。
耳を傾けるものはわずかだった。
人ごみは無関心だった。そうあろうと努めて。
息を深く吐いた。立ち止まる。
カバンを持った手。痺れている。
首を回す。空は
なかった。情報が光っている。蛍光灯のように。
蛍光灯なのだろうか。蛍光灯だろう、と。
距離は、
無制限に、拡大を続ける。
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