稲穂の実る頃/
青い風
陽の強さが
キラリと
冷気を突き通す頃
爽やかな緑が
恥じらいながら
黄緑色に頬を染め
やがてそれは喜びの色へと
変わるであろう
確かな思いを抱かせながら
ヒヌマは
密やかに 密やかに
広がる
真黒に日焼けした手
節くれだった泥だらけの手
この手が創り出したヒヌマ
ヒヌマが育てたこの手
一畦 二畦と
豊かな吐息を感じながら
私はヒヌマの道を歩く
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