Hz/ねなぎ
君は溶剤を片手に
わかってねえを
ひたすらに繰り返す
僕は知らないふりで
適当な
相槌を打つ
細かい周波数が
聞こえる気がする
君はこの世界を
教えてくれると
僕に言い
そして君だけの世界へ
勝手に入って
いってしまう
何人
寄り集まっても
それぞれは
共振しない
細かい周波数が聞こえる
吸い込んだ
君の口から
涎が袋に
溜まっていく
僕はその横で
タバコをふかし
ガラスの目を見る
細かい周波数が
聞こえる
僕は耳を
閉じなければ
僕の波形が
壊れてしまう
君と僕の周波数は
きっと合うことは
ないのだろう
断った僕を
君は詰り
臆病者と
呼んだけれど
今は君が
僕にまとわって
助けて神様と
僕を呼ぶ
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