学校に行きたい/
パラソル
その間にはさまるものをついに知ることはなかった
シャッターばかりがぼんやりと下がっている商店街の中で
ひとつだけ暗い光が見えた。
いまどきめずらしく背中のまがった女がランドセルを売っていた
看板を見ると「学校」だった。
「これが学校だったんだ!
おれのさがしていたはずの学校はここにあったんだ!」
叫びながら、「学校」に入っていった。
しかし
女は歯のない口から一言も発さない
アーケードの中で、
世界のはしっこにいた。
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