色の無い血溜まり/ホロウ・シカエルボク
 



疲れの果てにあるはずの
深い眠りが閉ざされた
暗闇で放し飼いの、潜在的な――脅威

カーテンの向こう、いくつもの外壁を反射してくる性急な車のライトが、まるで
取り返しのつかない
観念的なひびのようだ

呼気のわずかな隙間に
何を見たのか
雨に濡れ稼動を止めた
錆び付いた観覧車のような時間、薄明かりに長く、いまひとつの鈍器みたいな影が延びる
雨の音を数えて
雨の音を数えて、稀に見る孤独がそこにあるから

存在と幻影、不完全なレムの中で水と油みたいに分離という調和を描いて
俺は枕に張り付いて無感情に泣いていた
涙は
カラスの
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