遅れてきた青年の楽譜/《81》柴田望
システムウェア《遅れてきた青年》の目的は抽象的罪悪感の自動浄化処理 同じ悩み持つ同世代の大勢を救う構想だが 大勢にとっての目的とは常に試作品でありたい 基本計画を立て、外部設計を行い、内部設計、プログラム設計、プログラミングと作業を進め、テスト段階にたどり着いた モジュールごとに単体テストを行い、入力と出力の対応が正しいかどうかだけのブラックボックス、及び内部構造アルゴリズムのホワイトボックス・チェック、各モジュールの結合テスト、トップダウンとボトムアップの折衷テスト、綿密に武器を鋭く だれでもどこでも簡単に 運用テストも徹底した 何故ならユーザーとは大勢のなかに潜む一部の凶悪なクレーマー 泣顔に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)