遅れてきた青年の楽譜/《81》柴田望
《遅れてきた青年》は虚構化された部落の悲劇をぎっしりハガキに書きなぐり新聞社へ送る もみ消しに対する抵抗虚しく空洞化滲む 東京じゅうのテレビの前の人間にNO!と言うだけの怒りの企画 東京じゅうの人間たちと釣りあうくらい暗いかれの素性はストーブの火で化学変化起こす 多様さは一貫している とにかくぶっ壊したい その先のヴィジョンはない 古い神社がひとつ消えたんだぞ だれもが拭う拭いたくない染み抜きの一過性でいいのか車輪の下 しがみつくほど濡れ衣は重く右翼のスパイとみなされ拷問を受ける まるで日本みたいだ かれはいいこと思いついた そうか、屈辱は視聴率をもたらす うちつける電線に雨
《遅れ
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