哀愁の部屋/榊 慧
 


ついうっかり頭に入る他人の音に
また殺されてしまったようで
微妙な距離感のそいつは
道連れにわたくしを選びたいのやも知れません
わたくしはおずおずと目線を下げまして
本日知りました悲愴なことに
他人の音に、
はき気すら覚えていきました。


     
      こんな体験はいらぬでしょう
      僕が僕で辛いということは
      彼ら彼女らには迷惑らしく
      他人の音を やかましく
      しかし誰も悪くはないと
      それが故にまた僕はわめくのです



そういうことでもめるのは
おかしいと娘は思いました
そして
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