痛みも忘れるほど/
かいぶつ
人と出会い
いずれ別れが訪れるのならば
少しでも多くの傷を
出会いと別れの間に残したい
驚きという銃傷
喜びという挫傷
悲しみという刺傷
憎しみという熱傷
もっと、深い傷と
さらに、激しい痛みを
どれだけ互いの体に
傷痕を残せたかが
人間関係の豊かさだろう
あなたとわたし
傷だらけまま
痛みも忘れるほどに
きつく抱き合えたらいい
あなたに出会い
癒えない傷を負ってしまった
わたしはそれに
生かされている
あなたはわたしの
愛しい後遺症
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