カルシウムの楽譜/《81》柴田望
 
      係長はDragonの息を運ぶ
      係長の無線は命がけだ
    つねに最小限のコトバで
    応答しなければならない 
 係長がいらいらするのは
カルシウム不足のせいではない たとえ血液中のカルシウム濃度が不足しても 骨のカルシウムが溶け出し 常にほぼ一定に保たれる 仮にカルシウム不足で精神不安定に陥るなら それ以前に重度の骨粗鬆症になるだろう

      係長の 無線 は命がけだ
   常に最小限の 言葉 で
必要な情報を無限に 表現 しなければならない
 
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