ときどき別れを/寺岡純広
 
ときどき、別れを告げそうになる
あまりに離れた歳の差、自分の現在、過去を考えると

君には僕のすべてを、本当の姿を見せていない
もしそれを話したらすぐにも別れなければならない
たとえ君が寛容で何もかも許してくれたとしても

ときどき、真剣に考えてしまう
一番良いのは、黙って君の前から去り、見知らぬ街で1人暮らすことかも知れないと

君からと知りながら、わざと電話に出ないことがしばしばある
気持ちが乱れ、別れ話を切り出しそうになるとき

しばらくしたら、君はまた僕の部屋にやってきて、数日の同棲生活がはじまる
その間は、別れのことなど忘れてしまう
買い物や食事、たまには
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