薪薪曜/黒川排除 (oldsoup)
 
水打たれ倒れる薪 街の火がゆらゆら

反射面多彩に円をえがき地階の水

風に旗食蛾に耽る部下隠す

意中の目からビーム・矢印・分母より増え

鮮やかなトラック走査線で歪む

薪割りはひとの力支点をまさぐる二の腕

槍立てばお椀も立つ民家深いつから

先に閉めるドア実体のない来客

球状の塔を落ちるまで登る

火柱に似る馬 門は北に錆び

藁積んで少女も風も廃れゆく

薫製を無地の家に詰めたい眼差し

千の束凍てつくそれから朝食

テレビザーと鳴る髪流れ来て巣の鳥

土焼く茶会と皿ともに螺旋状に浮き

仙人まで映像ずれて連なる山

月曜の名残のサンダルまだ路上

水塞ぐ柱の元の木は国境

ほぐすとばらける花忽然と船現れ

コウモリの暗さに水垂らし洞窟

留守の木植える日を避けて豊かな土壌の留守
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