秋さり来れば・・・/
朱雀
旻天に ひらり翔らう紅シジミ
野駆けの誘いと 辺りで戯(そば)え
彼方に渡る鶸色(ひわいろ)の海
吹き頻(し)く風に胡盧を浚われ
風来坊の桐の一葉(ひとは)が
カサリ コソリと撫ぜ行く つま先
黄金(こがね)の光が引く影に
強張るこの身を弛ませて
漫(すず)ろに描く明日の明日
暢楽夢譚の栞がわりに
胸に挟かう早生(わせ)の秋
戻る
編
削
Point
(0)