人を殺した詩/doon
 
立たない水のような詩だった
 綺麗ではある
 しかし、それだけだ
 皮肉に満ちた人生の鋭さも無い
 賛否さえいただけなくなる

 詩が書けなくなることも道理
 また
 過呼吸になり読むこともできなくなる
 それが詩ではないと訴えることもできない
 評価する人もどこかで詩人であり
 詩の姿に魅了され
 本当に詩が歩かねばならない道も見えないのでは
 生まれてきてしまった詩のほうがかわいそうである

 自然と詩人はペンを置いた
 ゴメンと言う詩をかいて
 あるいは誰かに言ったのか
 ネットには最後の詩だけが残った
 詩とは本来こうあるべきだと
 誰もが言った
 しかし詩人はもう書かない
 詩の本質の一つは
 己に帰ってくることである
 
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