眠るのは/こむ
眠るのは これでなかなかに
むつかしい仕事ですね
こころは
まつりばやしにさそわれて
手をつないで 歩いていったり
河原で 網をかまえて走っていたり
ちっとも じっとしていません
あちこちの引き出しが いっせいに開いて
色とりどりのビー玉が 散らばってしまうので
拾い集めて 一つずつのぞき込んでは
しまい込まねばなりませんし
あんまりせつないドアの前で
開けるか 開けないか
迷ったりもしますし
でも まあ とにかく
闇の底で 目をつむっていましょう
そのうち なんだか大きなものがきて
今日のビー玉に色をつける儀式が
始まりますから
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