「何故人を殺してはならないの?」−「存在の彼方へ」を読んでみる5/もぐもぐ
とを述べようとしていること、これはとても重要なことであると私には思われる。
弱肉強食の現実の中で、いらだつ私は、子供の問いに対しても、それを早々に打ち切ろうと、利害や暴力に訴えるだろう。私はその前で、一瞬、立ち止まることが出来るだろうか。自分の苛立ちに従うことで、子供をも「弱肉強食」だけの世界に早々と放り込んでしまうことをしてはいないだろうか。繰り返し立ち止まり、問い続ける、そして子供に「表現できないが、しかし重要なもの。捨てられないもの」(近さ)の秘密を告げ知らせようと、立ち止まって語り続けることが出来るだろうか。また時に、語るべきでないときに、沈黙していることができるだろうか。
そ
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