「何故人を殺してはならないの?」−「存在の彼方へ」を読んでみる5/もぐもぐ
 
の観点である。

例えば、「どうして勉強しなければならないの」「どうして人を殺してはならないの」「どうして親の言うことはきかなければならないの」といった子供の素朴な疑問を考えてみればよい。

「役に立つ/立たない」の現実社会にどっぷり浸っている大人に、これに十分に応える力はあるだろうか。「出世するため」とか「牢屋に入れられないため」とか「言うこと聴かないと罰を与えられるため」とか、そうした「役に立つ/立たない」といった観点からの誘導が、一体子供にとって本当に説得力をもつものであろうか。

これには実際に自分がその「勉強」に浸りきった「感動」や、暴力に出会ったときの「恐ろしさ、痛ましさ」
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