転機/kei99
 
何にもない夜に
何にもない男が
何にもせず佇み
空を見上げても
世界は変わらず
そのままで
何にもない友は
それを見て
何も思わず
ただ変わり行く
流れに身を任す
何もない男の心は
何もなく見られるが
確かに変わったものがあった
その瞬間
一つの世界が
シャボン玉のように
割れた

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