リズムレッスン/しゅう
 
もわからずに、立ちすくむ私
溺れそうな空の下で、飛び跳ねる音楽
原始的なリズムひとつ、つかめやしないカラダ

美しく正常に機能する町並み
違う朝が何度きても、いけやしないんだ

病室の窓からは遠すぎる夜明け
点滴の落ちる音が僕の町に聞こえる
つながれたリアルからも、リズムひとつ紡ぐならば
君はもう、フィクションを食い破る存在

やまぬ雨が町を沈め、子供たちは踊り続け
地下鉄は人を食べて、僕はここで問いかける

飛び方や泳ぎ方は、本に書いてあった
泣き方や笑い方は、人に聞いて知った
騙し方や愛し方は、町に捨ててあったが
おどりかたや、うたいかたは?
おどりかたや、うたいかたは?
おどりかたや、うたいかたは?

空も海もそこにあるが、羽もえらも持ってない
立ちすくんだ両の手には、からっぽの言葉

原始的なダンスさえも踊りきれぬカラダからは
やせた骨が薄い肉を突き破り、飛び出た
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