僕と君のあいだ/xxxxxxxxx
 

君の手に護られている
悲しい音楽が聞こえないように
僕と君は互いが反存在で
触れると世界もろとも消し飛ぶ
だからいつも“ワタシ”という
紙一重の嘘を隔てて
互いのカタチを確かめ合うんだ
それはとても長い筆で
絵を描くような作業で
すぐに間違って
取り返しのつかない線を引いて
しまう
それをまた、丁寧に、一から、
上書きしてゆく
そっと、傷口をなぞる手つきで。
君がそのやわらかな唇で
もう何度も繰り返された
その言葉を呟くとき
決まって僕の耳を塞ぐんだ
悲しい音楽が聞こえないように。
僕はその唇を遮って
そっと口づけを落とす
淹れたての90℃の紅茶を飲む
慎重さでもって。



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