Death to me.../桜木 ハル
 
「死にたい」と呟いた声は

生きる気力にさえ及ばない落差で消えた

誰も彼女の言葉を聞こうとはしない

世界はそう言うものだと彼女は嘲笑(ワラ)った



「切ない」と咲き誇った花を見て言うけれど

その切なさを彼女は愛した

だけど「私なんかよりもずっと強いわね」と

彼女はそっと嘲笑(ワラ)った



「アナタはどうして生きているの?」

僕のほうを向いてそう聞いてきた彼女は、

深い闇の中を覗いているかのように深海色に瞳を濁らせていて

「アナタの理由を借りて生きてみたいの」と瞳に微かな光を宿して言った



「さ
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