夜明け/
草野春心
世紀末が、
遠すぎるなら、
自分の手で。
揺れている、部屋。
揺れている、ドア。
揺れている、窓枠。
揺れている、天井。
揺れている、椅子。
揺れている。
次の世紀末は、
ちょっと遠すぎるから、
僕は自分の手で。
嵐の夜。台所で僕が、
研ぐナイフ。ラジオのノイズ、
雨粒、雨音。血潮、ほとばしるように。
弾けないギターを、鉄槌にして僕は、
壊してまわる(裁いてまわる)。テレビを、
本棚を、ベッドを……
(「これが人生か!
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