季節トリガー/
フミタケ
れの風にまかせ
歩く
そのリズム
耳鳴りの
むこうへ
ヒラリ輝く
ねぇ
僕は声に出さずに呼びかけた
遠くで風が
なにかをうたっている
誰にも
見返りを求めずに
季節に咲く
恋のように
誰かの人生の経過が
冷たいノートに書き込まれていく
そっと
目を閉じ
透明になろうよ
過ぎ去った日々は
いくつもの
水たまり
つれづれの風にまかせ
あたらしくはじめよう
耳鳴りの
むこうへ
歩く
そのリズム
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