時の雨/umineko
 
蝉時雨だ

頭上から降る声よ
求めないで

緑の葉裏の
そのどこかに
潜みながら鳴く

そんなふうに

私に
ことばを降らせる
そんな才能が
あったら

あなたの頭上で
一心に鳴く

とどけとどけとどけとどけ

鳴くことと生きること
同義だったそんな夏を

思い出して
  
   
  

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