言葉と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる4/もぐもぐ
 
「道徳的責任」。「存在の彼方へ」を探求するレヴィナスは、こうした現実のうちで黙殺される、しかし等しく重要な人間的諸現象に、相応しい位置を与えるべく長い道のりを歩み続けるのである。


私たちがそれを受け入れ、その中で葛藤し、しばしばそれに打ち負かされる「現実」。レヴィナスは、その独自の思惟を通して、あたかも「プリズム」を通した多様な光のように、かすかな形で、それとはまた「別のあり方」を、私たちに告げ知らそうとしているかのように私には思われる。

戻る   Point(1)