ルネッサンス/aidanico
 
beautiful noise 

人はここをいつも烏が犇いていて気持ち悪くて騒がしいだとか耳を劈く様な悲鳴が聞こえるだとか、とても五月蝿い場所のように言うけど、僕自身にはとても心地いい場所だと思うし、満足している。人々が言う喧騒は、確かに耳の奥を掠める程度には聞こえるけれど、でも、それ以上じゃあ無い。寧ろずっと海鳴りを聞いているようで、お陰でとても安心して眠ることだってできる。なんて贅沢を言っているのかなあ、と思わず首を傾げたくなるものだ。音を煙たがる人たちは、空気を煙たがる人たちだ。煙草だって吸う時にはマッチを擦るときにしゅっと空気を削るような音がするし(彼らはなんて危ないことを日常な所作
[次のページ]
戻る   Point(2)