一次現実/ねなぎ
 
子供の頃は
山手線とか
中央線の
区別なんてつかなかった

中学高校と
陸上部に所属
大学では
経済学を専攻していた

いつまでも
走らなければ
いけないなんて
思いもしなかった

いつまでたっても
出ない答え
流れた生活
繰り返す日々

正社員じゃなければ
体力勝負で
決められた業務を
言われた通りこなす

気がつく間もなく
比例するように
麻痺していくように
転げていた

時給八百円の仕事
汚れたシャツ
履きつぶした靴
軋む体

僕の中の直線は
曲がることも無く
平面ではなく
立体にもならない

一日一箱の煙草

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