恋した女は詩の中に 〜合唱曲へのご招待〜/北村 守通
現在、20歳と211ヶ月のワタクシは、彼女居ない暦32年くらいになる。正確な年月は数えると気がめいるので、だいたいそのくらいにしている。
その間、色恋なんぞに胸を焦がされなかったか、というとそんなことはなくただ結果的に落選が続いているというだけだ。大体、ワタクシは女性の涙というものにヒジョーに弱い。わんわん泣くのは駄目なんである。お酒の席なんかでツツツーっと一筋流れる流体、あれに弱いんである。それは知人達に言わせると「だまされやつい奴」なんだそうであるが、もう今更それをどうせい、と言われてもどだい無理なんである。
まぁ、涙とまでいわなくとも、影のある女性というのは何かワタクシの背中をビビビ
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