【心理学批評】幻聴論/りゅうのあくび
 
ない。また、幻聴を聴いたことのある人間でも、幻聴は病気ではない、きっと宇宙の果てから来る声だとか、自分には背後霊の友達がいる、と思っている人もいるだろう。上に挙げたように、幻聴を肯定する立場は、両者の立場として存在しているのは事実だろう。
 
最近の僕の意見としては、幻聴とは、幽界からの所在不明の声であると、できるだけ否定的に解釈することにしている。しかし、それらは、怨念の世界や神の世界とは趣を異にしている。幻聴は、実に現在性に満ち溢れた存在であるからだ。必ず、僕が、思ったことに追従してくる。また追従していると思わせようとする。それが、時には、シニカルにも聴こえてくるし、冗長にも聴こえてく
[次のページ]
戻る   Point(3)