Freedom Song /服部 剛
 
 

満たされることの無い 
空っぽの杯を手にして 
差し伸べるみたいに 

過ぎた日の思い出なんぞは 
どんどん丸めた紙にして 
ぽいっとゴミ箱に 
捨てちゃいな 

雨を凌げぬ 
ビニール傘は 
二つに折って 
捨てちゃいな 

幸せを追いかけるうちは
いつまでもたっても 
今日の舞台に 
立てやしない 


幸せよりもっと早く、走らなきゃ 
( 風の唄が、聴こえる ) 


雨にずぶ濡れたまま、走らなきゃ 
( 風の言葉が、視える ) 


心を装ってた全ての服を剥ぎ取って、走らなきゃ 
( 風の顔が、微笑む ) 


やがて雲間から射す太陽が照らし出す、世界の大地  


目の前にまっすぐ伸びる 
雨上がりの渇いた一本道を、走る。  
他の誰でも無い 
愚鈍なる 
この裸足(あし)で 







戻る   Point(32)