地下鉄/
清水勇介
泣き出そうとしたが
泣く理由がもう無かった
あの子がくれた切なさは全部
通学路のアスファルトに染込んで
労働者がたれ流す
油臭い悔し涙も
ジャンボカラオケ広場の店員の
虚しい一日も
あの夕日に染込んで!
激情の抜け殻だらけの地下鉄で
唾みたいに汚い俺が居るだけ
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