虹/モリマサ公
世界中にできた闇の部分がすごいスピードでずれて
くちぶえが遠ざかり
輪郭線が地平線とまじわりながらかたちをかえて
あたしたちはまだうっすらと汗をかいて
雲の裏側にのびていく光の筋が不意に音をたててちぎれ
倒れたいくつもの植木鉢に張られたままのクモの巣が揺れ
それらにはもうなまえがなくて
捨てられた食器スプーンにフォークがぶつかって音を立て
なくしたものはさがしてもなくて
それでも俺たちは何度も生き残り
交差点に声がうかびあがりクラクションが地面に染み込んで
もう消えてしまったはずの星たちがまだどこかでひかって
まだうまれていない命が瞬間ごとに
ぶ
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