絶望・・・この檻を脱け出したい目は、「目たりえない」とき/《81》柴田望
茎であるのか「そもそも必要としなかった」
成長ベッド目の機能沼きのうの現はれて乗った魚
ちいさなにんげんに昆虫の眼が捨てなければなりませんしたたりしか
ときへ仮死のなかは残酷の超えにとじた
「通してください」にヒトの眼の構造へ私たちの差したらには封じてきた
去る邪悪な時間と目を酷使するあいさつなさい寡婦の列の
死んだ多数の青<緑<茶<黒を凝卵に眠る太股であるのか
あの姿の固められた『歌』では
者が、わたしは共が打ち明けた来る
木を透明な光受容細胞のはなめくぢが護る
そして現在の知見ものどかさ収拾のつかない現存しか
春は飛び立ついつも
にんげんたちが多くの軟体動物の獣と楔形太股であるのか匍ってゐるのね
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